高校生と奨学金 〜奨学金は借金?〜

結論

奨学金には大きく3種類あり、そのうち2つは“まぎれもない借金”です。
将来「奨学金破産」とならないために、今のうちから正しい知識をつけましょう。
奨学金の3種類
奨学金は以下の3種類に分けられます。
- 第一種奨学金(無利子・返済義務あり)
- 第二種奨学金(有利子・返済義務あり)
- 給付型奨学金(返済不要)
この中で返済義務がないのは、給付型奨学金だけです。
問題は、第一種や第二種にも「奨学金」という名前がついているため、あたかも援助金のように聞こえてしまうこと。実態は、学資ローンであり、借金であることを忘れてはいけません。
卒業後に待っている現実

第一種・第二種を利用する場合、多くは約300万円近い借入を背負って大学を卒業することになります。そして社会人になると、約15年間にわたり、毎月1万5千円前後を返済し続けなければなりません。
ここで想像してみましょう。
- 学生時代:学費、交際費、生活費、交通費……大学生活にはとにかくお金がかかります。
- 社会人になってから:結婚、家賃、車、貯金、保険、旅行……新たに必要になるお金はさらに増えます。
たとえば新卒の初任給が30万円だったとしても(初任給30万円はかなりの優良企業です)、税金や社会保険料で約7万円引かれ、
手取りは23万円程度です。
ここから奨学金の返済を差し引くと、自由に使えるお金は約21.5万円。30万円の給与でもたったこれだけしか残らないのが現実です。
学生にとっても、社会人にとっても、月1万5千円はとても大きな金額だとわかるはずです。
奨学金は借りるべき?
「じゃあ奨学金は絶対に借りるべきではないのか?」というと、そうとは限りません。
ここからは私個人の意見です。
- まずは給付型奨学金を狙うこと
→ 世帯年収要件+成績要件がある場合が多いですが、勉強を頑張る意味がここにもあります。成績が良ければ進学資金面で優遇される、これが現実です。 - それでも借りるなら、きちんとした機関から借りること
→ 第一種は無利子、第二種も通常のローンに比べれば信じられないほど低利率。条件としては非常に恵まれています。
つまり、奨学金を利用するなら「借金であることを理解した上で計画的に返す準備をしておく」ことが大切です。
借金をバネにできるかどうか

奨学金を利用する場合、あなたは社会人生活を300万円の借金を抱えてスタートすることになります。
これは大きなハンディですが、逆に成長のバネにすることもできます。
「300万円なんてあっという間に返してやる!」
そう思えるような条件のよい会社に入ることを目標に、大学生活を全力で頑張るのもひとつの道です。
奨学金をただの負担で終わらせるのか、それとも未来のための投資にするのか――それはあなた次第です。
まとめ

- 給付型以外の奨学金は借金である
- 借りるなら「返済計画」と「借金である自覚」を忘れないこと
- 奨学金を借りる=社会人スタート時に約300万円のハンディを背負うこと
- その現実を理解したうえで、勉強・進学・就職を考えること
奨学金は学業の援助金だから大丈夫、なんて安易に考えてはいけません。
月1万5千円の返済は、必ずあなたの生活に影響を与えます。
だからこそ、まずは給付型を目指し、それでも借りるなら計画的に利用してください。
給付型奨学金を提供する制度・団体
団体・制度名 | 特徴 | URL |
高等教育の修学支援新制度(JASSO) | 給付奨学金と授業料免除・減額がセットで支援。所得制限や成績意欲が基準。 | JASSO 修学支援制度 |
JASSO(その他) | 給付型・貸与型奨学金を運営。申請窓口として全国の学生が利用可能。 | JASSO 公式サイト |
MEXT(文部科学省) | 海外留学生向けの給付型奨学金あり。国内学生向けは貸与型が中心。 | Study in JAPAN |
似鳥奨学財団(ニトリ奨学金) | 給付型。大学・大学院生を対象に年間数十万円を支援。経済的理由で進学・学業継続が困難な学生をサポート。返済不要。 | 似鳥奨学財団 公式サイト |